昨晩は、タクシーをつかまえるのに苦労した。
ニューヨークのタクシードライバーは、横暴な人が多くて、
一台目も、二台目も、「ああ、その地域には行きたくない。」と言われた。
三台目のタクシードライバーに行き先を告げて、やっと車に乗り込んだ時、
ああ、このドライバーは大丈夫だ、とヴァイブレーションで感じた。
友人が先に降りて、後部座席には私ひとりだった。
「日本人ですか?」とドライバーは聞いた。
「そうです。あなたは?」
「パキスタンから。」
「good country?」と私は聞いた。
「すごくすごく良い国だ。」
「国を恋しく思うことある?」
「ああ、とても。。
でも、毎年帰ってるから。今年も7月に帰るんだ。
僕はパキスタンの北部の山間に80エーカーの土地を持っていて、毎年こちらから植物の種を持って帰って、様々な種類の植物を育てている。マンゴー、トマト、ぶどう、なんでもあるよ。
今年からは、魚を養殖するための池も作る計画がある。
あと3年立ったら、定年退職するから、それまでがんばって、3年後にパキスタンに帰るよ。」
「3年は、短くも長くも感じられるわね。」
「きっとあっという間さ。ところで君はここで何をしてるんだ?」
「私は音楽を弾くの。」
「ああ。音楽か。Music is forever.」 彼はそう言った。
私と彼はブロークンイングリッシュで話をしていた。でも、その簡素な喋り方だったから、余計に心に響いた。
音楽は永遠。。。。
そして彼は最後に、
「君にとってすべてが上手くいきますように。アメリカは夢の国だよ。」と言った。
それだけで、なんだか泣きそうになって車を降りた。
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