前に借りていたアパートの私の部屋の階下に住んでいた、会ったことのないエジプト人の女の子が、
その当時、ひとつの恋愛を終えたばかりで、私の弾くピアノで少しだけ悲しみを埋めることができていた、と人に聞いた。
あれから4ヶ月、私がそのアパートから引っ越して、
彼女も引っ越したらしいのだけど、
ピアノの音色がどうしても恋しくなって、とうとうピアノを購入してしまったらしい。
もう4年ほどピアノを教えている大好きな12歳の生徒がいて、
彼女は本当に天真爛漫で才能に溢れている。
先週のレッスンの時に、ふと彼女の手を見て、もうすでにピアニストの手になっていることに気づいた。
少し無骨で、指の関節がしっかりしている。
私の手とそっくりな彼女の手。
「大きさが同じくらいなのね、ほら。」と言って、私の手を彼女の手に合わせると、
「ワオ、本当だ!先生って手が小さいのね!」と満面の笑顔で答えてくれる。
そんな彼女に、すごくきっと私は癒されてると思う。
私はどうしようもなくセンチメンタルな人間だ。
だからこそ、ピアノを人生の中に持つことで、
素晴らしくロマンティックで情緒ある生き方をできていると思う。
ロマンスを感じるための、幾多もの層を私の心に創り出してくれたのも、
きっと、昔から弾いてきたショパンでありベートーベンであり、ドビュッシーなのだ。。
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