アミナ・クローディン・マイヤーズの音楽を知ったのは本当にここ何年かのことで、
十分に彼女の音楽性を熟知しているとはとても言いきれないのだけれど、
彼女の作品の多岐にわたる内容は素晴らしく興味深い。
確かきっかけはフランク・ロウの「Exotic Heartbreak」というレコードだった。
それからしばらくして、プーさんが「The Circle of Time」を貸してくれてそれを聞いたりしていた。
タイショーン・ソーリーはというと、近年話題にもなったオブリークの様なジャズの曲を書く一方で素晴らしく緻密なクラシックの作曲もする人。モートン・フェルドマンやシュトックハウゼンという名前もよく話にでてくる、本当に多種多様な音楽を聞いている人だ。そういう意味で、このインタビューの組み合わせはとっても面白いと思った。
今日のインタビューでも話していたけれど、マイヤーズ氏はまずクラシックピアノから音楽を弾きはじめて、その後に教会でゴスペルをやったのだそうだ。
オルガンもすごかったり、歌も素晴らしいのは、そういうバックグラウンドから来ているみたいだ。しかし彼女が面白いのは、その後教師の仕事を探してたどり着いたシカゴで、
AACMに参加するということだ。彼女自身のアルバムは、割とリズム&ブルースやゴスペルの影響が強い曲が目立つものの、サイドマンとしてはヘンリー・スレッドギルやArt Ensemble of Chicago、厶ハル・エイブラハム・リチャードソンなどの錚々たるミュージシャンと共演しているところからも、彼女の多才さをうかがえる。
これは、シカゴの当時の先鋭ジャズシーンにマイヤーズ氏を紹介したその人、レスター・ボウイーとの共演。
当のマイヤーズ氏は、なんだかとてもお茶目で気さくで面白い、少女の様な人、という印象を受けた。色々な話をしていたけれど、中でも印象に残ったのは、
自分はシカゴに引っ越した当時も音楽家になろうとは思っていなかった。と言っていたこと。
それからまだジャズを弾き始めてまもない頃に、クラブでの演奏の仕事をもらったマイヤーズ氏がステージでやっとの思いでオルガンを弾いているところで、ジミー・スミスが客席に居るのを見て心臓が口から飛び出るかと思った、というエピソード。
その後ジミー・スミスから「はじまりとおわりはなんとかちゃんと出来ていたから良いと思う。」というなんともいえない励ましをもらったそうだ。
それにしても、いいね、声や表情が素敵で、魅力的な経験をしてきた人のお話を聞くっていうのは。
私は質疑応答で、ブルースについてどう思うか、という質問をしたかったのだけど、
勇気が出ず断念。。
次の機会があることを願おう。
とっても良い時間だった。