倍音が好き。
アイヌの口琴、ムックリやアボリジナル音楽、ディジリドゥ、それからガムランの音。
キーボードの音にエフェクトをかけた、ひずんだ感じの音も良い。
イメージで言うと、カラフルな砂嵐。
模様が混ざっていく感じ。有機的な感じ。
そういう音楽を創りたいなあ。
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菊池成孔著の「憂鬱と官能を教えた学校」を読み始めた。
私は最近もっぱらピアノに向かうとバッハの平均律を何曲か2時間程弾き、
その後、キーボードで色々な音とエフェクトを試している。
菊池氏の本の中でも話が出て来る、ヨーロッパ的な音階に関する概念と、それ以前の、人間の音楽に対する感覚。
この本を読んで、何かものすごく腑に落ちたの。
私はクラシックピアノから入り、ジャズを大学で学んだ。
それは12音階という概念に基づいた勉強。
大学では、ほぼバークリーメソッドに忠実に従ったハーモニーの勉強をした。
その頃聞いていたのは、ハードボップ、ビーボップを中心とする、所謂ストレートアヘッドなジャズ。
それから数年後、
ケネディーセンターで演奏した時の映像を見た友人が、私がアリスコルトレーンを好きなのかと聞いた。
そこから、新しいものが生まれて、坂を転がり落ちる球体のように、色々なものを付着させながら、
その物体は大きくなってきている。
友人が私の中にアリスコルトレーンの様な要素を見つけたとすれば、そういうエレメントはすでに私の中にあったんだと思う。
だから、今、これまでになかった、精神=音楽のフィット感がある。
ニューヨークに来ていなかったら、こういう音楽的成長はできなかったかもしれない。
12音階のヨーロッパ的アプローチでピアノを弾くことと、
その概念をいかに打破するか、ということを今は同時にやっている感じだ。
二週間後のライブでは、今までにやったことのない新しいことをやろうと思っている。
それと、Alice Coltrane、 Mary Lou Williamsの曲をフィーチャーする、というアイディアは決まっている。
なんとか構成として合うのであれば、John Cageの曲も弾きたい。
何日か前に、友人の友人に、「どんなスタイルのピアノを弾くの?」と聞かれて、
言葉に詰まった自分が居た。
もう、即答でジャズって言えない。
でも、多分それはすごく良いことな気がする。
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