その音を聞いて、人はなにを思い起こすか?
その技術に感激するのか。
では技術とは何か。
数学的であることか。より複雑であることか。
その音を心地よいと感じるのか。
では心地よさを求める自分とは何か。
心地よさそのものとは何か。
その音を心地悪いと感じるのか。
では心地悪さを回避しようとする自分とは何か。
人間はいつまでも心地よさを追求するか。
心地よい場所にとどまることは何を意味するか。
音楽とは楽しむものか、愉しむものか。
その音を聞いて、人はなにを思い起こすか?
誇示する男達の自我か、
媚売る女達の因果か。
男達は自我に武器を与え戦争をつづけ、
女達はハイヒールを履いて資本と欲望に貢献する。
音楽家が楽器に自我を投影する世界では戦争は終わらない。
芸術は、向上しようとする精神の混沌とした泥から生まれる花だ。
そういった純粋な精神の淘汰すべきものは己の自我それだけである。
その音を聞いて、人はなにを思い起こすか?
音楽を選ぶ時、人は知らずと思想を選ぶ。
とすると私達の思想はいま、何を提議しているか。
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