坂本龍一氏の著書、「音楽は自由にする」(このタイトルは、"music sets you free"という意味とも"play music freely"とも取れるのが面白い)の中で紹介されていたレコードを入手。
Terry Rileyの音楽を初めて聴いた。
Music for the Gift/Bird of Paradise/Mescalin Mix(1960-1965)
"Music for the Gift"にはChet Bakerも参加していて、ジャズの演奏が主体になっているのだが、
そこに加えられたマニュピュレーションがとてつもなく格好良い。
"Mescalin Mix"については、ピアノ、テープ処理、ボイスを用いて創られており、
アルバムに乗せられているインタビューには、その当時ペヨーテに彼が音楽的、経験的な上での影響を受けていたことが述べられている。
"Shri Camel"(1980)
このアルバムは、彼に最も影響を与えたと言われるインド古典声楽の名人、Pandit Pran Nathからライリーが学んだものの集大成である、とライナーノーツに述べてある。
そして、一見(一聴)するとオリエンタル、東洋音楽的な雰囲気があるのにも関わらず、
その音楽を構成するのは、オルガンであり、西洋的なテクノロジー、音楽倫理に基づいている。
ライナーノーツが素晴らしいので、一部、訳してみた。
「この音楽の反復的、円環的構成は時間の存在しない無限性を表すオーラを作り上げている。
ライリーの高揚感のあるリリシズムは私達の想像とスピリットを未だかつて訪れたことのない空間へと誘う。この内的静穏と精神的な冒険が重なり合う経験は、臨床のアルファ波的現象に近いものがあるが、これは単なるメタファーに過ぎず、実際の音楽的経験を確実に描写するには事足りない。
このような精神的経験ついては、必ず誰しもが気持ちよいと感じるものではないだろう。
『手放す』こと、そして子供の精神を持つことができない者達にとっては、恐ろしく、脅威的な経験となりうるかもしれない。
しかし、体の内側に存在する知恵を体感できる者、そして高次意識への受容性のある者にとって、
テリーライリーの音楽は強い魅力を持つだろう。
『グローバルな精神』の裏側にあるからだと精神のための音楽であり、
『新しい時代』のための音楽であり、
現在の世界における、新しい宗教的意識の誕生のための音楽である。」-Hugh Gardner
最近、合わせて、アフリカ、ピグミー族の音楽を聴いてきたのだけれど、
彼らの歌に存在する美しいポリフォニーにとても似た音がテリーライリーの音楽の中で聴けたのも面白いと思った。
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